WOOD TENNIS


唐突ですが WOOD TENNIS とは何なのかを書いてみようかと思います。何の論証もありませんが少し濃いめのコーヒーでも飲みながらゆっくりとご覧ください。

WOOD TENNISとは昔の木を主な素材として製造されたラケットを使って、もう一度昔の古き良き時代を思い出そうとか、古典的なオシャレとしてウッドラケットを使ってみようというようなものではありません。

私は本業でもWOOD TENNIS を教えています。ただ最近の悩みとして、レッスンでは上手くなったり、上手くなったことを生徒さん自体も認識して喜んで帰ってもらうことがあります。しかし次の週やある程度の時間が経つと、上手くなったその技術や戦術を忘れてしまう人が多いことです。これには当然ながら私自身の能力不足があることは否定できません。その技術や戦術ができれば、それを次の週には確認するドリルを入れることや、それが出来たら順番的に適切な課題を与えないといけません。それを私が入れないといけない確認ドリルを抜いたり、与える課題の順番が間違えていたり、飛びすぎで難易度が高すぎたりという失敗で、生徒さんが一歩づつ階段を上がれていないことがあります。これは私自身の問題です。

もう一つ、生徒さん自身にも問題があるのも事実です。それは『物足りなさ』という感覚的な戦いです。例えば、上手くなったということは、今までにない威力、角度、スピードというようなボールが打てたわけです。すると、その威力、角度、スピードといったような軌道が麻薬のように頭にこびり付きます。これ自体は悪いことではありません。これがあるから、自分で闇練習をしたり、出稽古にいったり、一人で壁打ちしたりと自主的に練習したくなるからです。しかし頭の中に強く残っているのは『なぜそのボールが打てたのか』ではなく、今までにない威力、角度、スピードというボールそのものなのです。そのため上手く打てた翌日や翌週には、どこか『物足りなさ』だけが感覚的に残るのです。そしてその『物足りなさ』を取り戻そうと必死になって崩してしまうのです。

WOOD TENNIS とは、この『物足りなさ』が大切なのです。

上手くなったというような、今までにない軌道のボールが打てたということはインパクト、つまりは衝撃が感覚的に残らない打ち方が出来たはずです。実際はそれなりの威力がボールに伝わっているはずですが、上手くいったときの、力の反作用は主に下半身でバランスをとっているために感覚的には何の力も使ってないような感じになっているはずです。逆に上手くいっていないときは手に衝撃を受けるはずです。インパクトという言葉までは否定しませんが、衝撃は下半身でバランスを取っており、手で受けるのは不自然です。ですから絶対にボールを『叩く』『振る』『擦る』『しばく』という概念は間違えていると思っています。

ただし『叩く』『振る』『擦る』『しばく』という表現は間違えていない可能性もあります。それは私がトップ選手といわれる世界を知らないからです。世界のトッププロだけに関わらず、国内のプロ選手のような試合の勝ち負けで飯を食っている世界のテニスを私は知りません。見たことくらいはあるのですが、最近のトップ選手を見てると『叩く』『振る』『擦る』『しばく』というインパクトをしているような気がします。(全員ではありませんが)この最たる原因がラケットの進化があることは間違いありません。

最近のラケットはグリップ側の極度な軽量化でトップヘビー化し、手でインパクトを受けても衝撃を和らげる工夫がなされています。そのうえフレームは硬くなって、当てただけで飛ぶようになっており、『叩く』『振る』『擦る』『しばく』というインパクトの方がボールが食いつくようになってコートの中に収まるようになっています。

WOOD TENNIS はこの流れに否定的なのです(トップ選手は構いません)。手で衝撃を受けてしまう人に、その衝撃が伝わらないラケットを使って改善するのではなく、手で衝撃を受けない技術を身につけ下半身(腰)を主に使った方が機能するラケットや、その技術を身につけることが、テニスをする人の多くを幸せにすると考えています。

テニスにおける道具の進化とは、本当にテニスをしている人を幸せにしているのでしょうか。優れた道具というのは棘があると思っています。ノーベルの作ったダイナマイトは工事のスピードを飛躍的にあげましたが、見方を変えると人を何人も一気に殺す道具にもなりました。インターネットやパソコン、スマートフォンのおかげで、何もかもが効率化されたはずなのに、紙の時代の方が忙しくなっかたような気がするのは私だけでしょうか。道具の進化に否定的なのではありません。テニスはウッドラケットでするべきだとも思っていません。ただ道具というのは誰がどのように何を目的で使うかによって大きく変わってしまうものです。一般的に優れた道具というのは、優れてない人でも使えるという裏の真実を忘れてはいけないと思います。

本当にインパクトがあればナイスボールやナイスな展開になっているでしょうか。『物足りない』がナイスボールで次も動ける。そんな少しの見方を変えると見えてくる新鮮な世界、これこそがWOOD TENNIS だと思っています。

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