ひとりごと


『ポテンシャル』という言葉がある。意味を調べると二つあると書かれている。一つ目は潜在能力、もう一つが力学的な観点からみた『位置』というものである。直感的にこれは二つの意味があるんじゃなくて同じじゃないかと思わず突っ込んだ。

『位置』と似たような言葉に『場所』がある。英語なら前者がpositionで後者がplace。英語はよくわかんないから漢字として気になるのが位置の『位』である。本来あるべき所や場所という意味がある。その『位』という漢字と位置というpositionから頭に浮かんだのが将棋の位取り。

将棋の駒は動く。金なら金の、飛車なら飛車の、歩なら歩の動く範囲というのがある。けれど将棋はその動きで王将をとるゲームじゃない。動かすことによって王将を詰ますという位置どりの戦いだ。つまり力学的な観点からみた運動エネルギーではなく位置エネルギーのポジション取りの戦いということになる。この位置エネルギーを英語にするとpotential energyとなる。position energyじゃないんだ。ポテンシャルという言葉の意味に『潜在能力』というものがあるのは、実際の動きに対する運動エネルギーの中に位置エネルギーが潜って隠れているんだと思う。でも実際に動いてる運動エネルギーに新たなエネルギーを足すことはできなくて、位置エネルギーの方が重要なのは明らかなように思う。

僕と一緒に仕事してる後輩に悩んでる子がいる。背も高くないし、運動神経がいいわけでもない。それに劣等感を強く感じすぎて、何をしても自信が持てない子。周りのコーチよりも威力のあるボールが打ちたい気持ちが強すぎて、周りのコーチよりもボールの質が悪い。そういうところからいろんな面で悪いところばかりがクローズアップされてしまい悩んでる。今日はその子と一緒に将棋を指して、動きよりも位置の重要性について話をした。

レッスンでも腰を使うってことを勘違いしてる人が多いから、つま先ステップインを練習してる。腰の位置を先に作ってれば、待てるし手首も入る。スウィングスピードとか柔らかさと、ボールの質の良い悪いは、それぞれの動きそのものより位置取りの方が重要なんだということを伝えたい。下手すると腰を使うというものを運動エネルギーとして捉えてしまうとただ体が回るだけになってしまう。これがわかってもらえないと、その位置エネルギーとしての後ろ足の重要性も、展開の中での待つところの指導も意味が薄くなってしまう。

今までも同じようなことは言い続けてきた。運動連鎖ではなく止まる連続動作だと。止まるとういうのは位置エネルギーとしての位置取りのことで、下から順に位置エネルギーとしての位置を決めていくから止まる連続動作が適切な動きを導きだすんだと。動きについての指摘は揚げ足取りになってしまうことが多い。前向きな改善というのは位置を改めるところからはじまると思ってる。その位置に重さがあり、その力の方向性としてのベクトルがある。それを人間が正しく行う必要性として『ものの見方』となる。

悩める後輩にした話なんだけど、今の自分が悩んでることも、何かしらの位置に問題がある。だからポテンシャルが低くなるのだ。いろんな部分でもう一度位置取りが間違えてないか見直さないといけないんだと思う。

 

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