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近況報告(路地人宛て)


学生の頃、遊びでボクシング部の友達とスパーリングをさせてもらい、何度か練習をさせてもらったことがある。ヘッドギアもつけて、大きなサイズのグローブでやったが、人生で一番長く苦しい3分間だと感じた記憶がある。

そのときにボクシング部の子に言われたのが『足捌き』と『体捌き』だった。僕のパンチがいいとか悪いことかじゃなく、当たっても効かないタイミングや間合いを体全体で作る方法だった。(ボクシング用語でダッキングとかのことなんだけど、わかりやすく伝えてくれたんだと思う)

路地人さんがコメントで『たこ八郎』さんのこと(芸人としてもすごいが、日本チャンピオンまでなったボクサーとしての)書いてくれてたんだけど、相撲の大横綱双葉山も幼少期に失明してた。僕は視力がいいし、測ったことなんかないけど動体視力も悪くはないと思う。けれど、ボクシングでは全くヒットさせれなかったし、相手のパンチも見えてなかった。『見る』ってのはやっぱり目だけのことじゃないんだよね。

 

預かってる若い子2人は、未だに道に迷ってるようだ。ただ、僕自身の反省として過保護に教えすぎていたと反省してやり方を変えて接するようにしてる。僕が過保護すぎて目だけでものを見る習慣が出来あがってしまってる。だから、結局何も見えてこない。

僕の方は目だけでものを見なくなってきたから、色々と調子がいい。(ただややこしい問題が全部解決したわけではないが)

来週あたりかな。そっちに遊びに行かせてもらいます。

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ミスについて


自分のやりやすさも大切だけど、同時に相手からのやりにくさというものも考えておいた方がいい。野球では投げにくいバッターというにがいる。柔道でも組みにくい相手というのがいる。ボクシングでも手を出しにくい相手がいる。話し合いでも、交渉しにくい人というのがいる。

結局は自分がやりたい得意なところは押さえられていて、それなりの下準備があればできるけど、そのための下準備があるのかないのかを見極めらていて、条件が合えばやれるけど、その条件を先に潰されていたりと、押さえるところは押さえられているという相手は困ったもんだ。そういう相手にはとてもミスが出やすいから、余計に相手が楽になる。そのうえこっちは余分な力が入ってしまい自信があることまで出来なくなる。しかも見切られてるから、たまたままぐれで出来ても、これが二度三度と続かないことがバレてるから、全然焦ってくれないのでハッタリも通じない。

よくミスは自分との戦いだからというが、それだけではないような気がする。ミスは相手が押さえるところは押さえられているときに頻発する。それで自分を見失うというのがパターンだ。逆に押さえるところを押さえていない相手には、ミスが少ないし、いつもは出来ないことまでできるから調子づいてくる。

テニスはよくミスのスポーツだという。

テニスだけじゃないだろう。他のスポーツだって、将棋や囲碁だって、ビジネスにしたって何でもそうなんだろうと思う。ただ、そのミスは自分だけの問題ではなく相手の隠れた技術があることを忘れちゃいけないと思う。ミスが出て負けたら反復練習すればいい、走ったり厳しいノルマを課してメンタルを鍛えるというのは安易のような気がする。そして、あたりまえだけど忘れがちなことがもう一つある。

ミスしたいと思ってミスしてる人は誰もいない。

僕みたいな変わり者は、ミスして怒られたら「お前がやれや」と言えるけど、それが言えない人がミスを怒られているのをみると、いつも心が痛む。

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継続


『何もしない』と『何もできない』は全く意味が違う。だから『打てるんだけど打たない』と『打たない』は違う。『何もしない』が戦略として最も正しいとしても、実践するのは簡単なことではない。

今日は意味ないなと思う仕事をちゃんとした。(雨だったし) 意味はないけど、それを誰よりも早く誰よりもちゃんとやってれば、今後に先手を打てて、発言権があり無駄な仕事を断ることができるからだ。自分のいるスクールの町の情報なんて、市役所の市報に書いてあるし、町の問題は市議会議員選挙の演説聴いてれば大枠はわかる。生徒さんからの情報はフロント前でガット張ってればわかる。こうやって、暇な時間を作るための努力はちょくちょくやってる。要は『やれるんだけど やらない』という形を作るためだ。暇な時間こそが自分のレッスンをよくする栄養源だから。

『打てるんだけど打たない』の『打てるんだけど』には隠れた努力と要領の良さが必要だ。逆にいうと『打てるんだけど打たない』の『打たない』を努力したってあんまし意味がない。それで『打てるんだけど』を身につけるには、難しいことじゃなくて簡単なことをやればいいんだけど、継続してやるという条件がつくんだよね。この継続が難しい。

小さなことからコツコツと

なかなか出来ないんだよなあ。

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始動


豊臣秀吉を私はあまり好きじゃない。けれど、備えのやり方についてはとても参考にしている。中国大返しという主君信長が本能寺で打たれてから、明智光秀と戦うまでの移動があった。これが事実だと考えても、岡山県から京都に向かうまでの道のりで、通過する村々で炊き出しが行われたところをみると、その用意周到さには感心する。今でも兵庫県と岡山県の県境の町名に『富』という字のつくものが複数あることからしても、信長の部下でありながら、すでにいろんなことで準備はしていたんだろう。

家康だって、関ヶ原の戦いにおいて小早川を戦いの最中に裏切らせたようになっているが、小早川が朝鮮出兵でヘマをしたときから既に根回しはしていた。それは小早川に限らず加藤清正、福島正則といった秀吉に近い武将にもである。

信長は兵隊の多くが農民で構成されていた時代に、職業としての兵隊を採用して、城の近くに住まわせていた。そして戦いの訓練を日頃からしており、1年を通して戦ができるようにしていた。

準備にも重いと軽いがある。当然重い方がそのエネルギーは高いが、準備には時間がかかりすぐにはできない。軽い方はエネルギーとしては小さいが、直前でも変更や融通がきく。

秀吉も家康も信長もスピードがあった。けれど秀吉の中国大返しをとっても、秀吉の家来の走るのが速かった訳ではないし、馬が走るのが速かった訳でもない。早かったのは戦ってた毛利との和睦交渉と、兵糧や武器などの準備ができていたことが真因である。

早いとは、準備を含めた始動が本当はどこからなのかという真因を見つけないといけないと思う。テニスなら本当に反応の早さか?動きの早さか?テイクバックの早さか?

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目の強さ


目の強さについてレッスンしてる。ボールを見る目が強すぎると腰は固まる。弱すぎると腰が泳ぐ。目の強さは身体全体の動きに大きな影響力があるからだ。問題はなぜ目の強さがコントロールできないかどうかだ。

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剣術の達人が、相手の剣の動きを読みきっているときは数センチしか距離がなくても落ち着いているように、相手の動き、起動、待ちがはっきりしていれば目の強さはいい塩梅を保つことができる。

テニスでは次の3つだと考える。

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仕事には表と裏の仕事がある。明日は裏の仕事に着手する。それと同じように身体の使い方にも表と裏があると思ってる。ただどちらも本質的な要素はとてもシンプルなことなんだと思ってる。

 

 

みんないろいろ教えてね


ムーくんがデスク仕事になって、長時間座ってても疲れないような座り方を研究してるようだ。いろいろLINEでヒントをありがとう。その座り方とつながってるけど、僕は踏み込み方について研究してる。今はもうお亡くなりなられてるから動画で見ることしかできないんだけど塩田剛三さんていう合気道の達人にヒントがあると思ってる。(とくに動画の1分15秒あたりの踏み込み方)


合気道ってのは僕なりの見方として、もっとも位置エネルギーを効率的に使ってる武道だと思ってる(他に呼吸法とかあるけど)

年齢的な衰えを感じてる人は、もういいボールを打てないと思ってる。打てると思ってる人は人で筋力やスピードを追い求めてる。踏み込み方一つで、昔より遥かに威力のあるボールが打てるんだ。そういや負けちゃったけどボクシングの山中慎介(左利き)の左ストレートも右足の踏み込み方に骨があるんだろうと思う。

今週は歩き始めた姪っ子(1歳半)が帰省してくる。歩き方、座り方、踏み込み方というのを駄目なおじさんに教えてね。

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ひとつだけ


今年の6月に永射保さんというプロ野球選手が亡くなりました。

身長も低い選手でした。

腕のリーチも長くありませんでした。

ストレートも130キロしか出ません。

鋭い変化球もありませんでした。

しかし、今では当たり前のワンポイントリリーフというポジションをはじめて確立した選手になり、ほとんどの選手が3年以内に戦力外になるプロ野球の世界で19年も現役で働きました。

永射さんは、左のアンダースローという珍しい変則投法と踏み込み足のタイミングを変則にして、左強打者のタイミングを外すことだけにこだわった術を独自で編み出したのです。

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踏み込んだと見せかけて、踏み込んでない。踏み込んでないと思わせて、急につま先で地面を刺す。スピードとボールの変化の鋭さで勝負する華やかなプロ野球の世界で、地味に踏み込み方だけでタイミングをずらしてギリギリのところで抑えてきた永射さんが大好きです。

ひとつだけ

ないものを追っかけるより、身近にある、本当は素晴らしいのに忘れ去られてるものだったり、短所と短所がかけ合わさって、実は長所になってるもの。何かそんなものとの出会いって、とても素晴らしいことなんじゃないかなと思いました。

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定石


連休中だけど、今日はみっちり練習した。午前中はムーくんと1時間ほど。午後は独り練習した。いまさらなんだけど自分の身体と向き合おうかなんて、酒もタバコも大好きなくせに、関節の可動域やら連動に関することを考えはじめて、自分なりの体操でいろいろ実験している。

頭の空想に関しては『定石』について考えてる。藤井相太くんは大山康晴永世名人の棋譜を全て把握してるそうだが、大山永世名人が残した定石を指してはいない。定石はそのとき、その場面で、その人が最善だと思われる手を選んだだけで、定石によって出た結果より、どういう考えで、それが最善だったのかというプロセスや考え方が大事だ。羽生善治さんは升田幸三先生の寄付が好きだそうだ。当時は無理攻めだといわれて結果が出なかった将棋でも、今の最先端のような定石を指していることを見抜いていた。要するに、結果のみにとらわれて打つ定石というのは、結果がうまくいかなかったときの言い訳でしかない。大切なことは結果の良し悪しではなく、それぞれの場面で『なにが最善なのか』という選択をどういうプロセスや考え方で導いたのかということなんだと思う。

身体のことでも定石はある。筋トレが必要、不必要だとか、有酸素だとか、初動負荷だとかいろいろある。しかもそのれらの定石はここ数年でころころと変わっている。今は情報を手に入れるのが簡単だからだらけである、いろんなことで定石だらけである。ただ、定石だらけで困ってる人をよくみる。また、自分がおかれている状況や形勢判断を正しくしようとするよりは、その定石は誰が指したのか、最した人の実績や肩書きがどれくらいなのかということに盲信して選択を誤っている人もよくみる。

だから、結局はものの見方に行き着くんだと思う。そして、それを見てどう感じたのかという感性の問題になるんだろうと思う。

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風に吹かれて


ノーベル賞をとったボブディランはロックミュージシャンなのか。いやフォークシンガーか、それともブルースシンガーなのか。分類するというカテゴリ分けは物事を理解するために必要不可欠なものなのだが、ときにその分類が理解を邪魔してしまうこともある。ディランのそのときの魂がロックならロックだし、フォークならフォークでブルースならブルースでいいのだ。

テニスで『スライス』というショットがある。このショットとして分類されているスライスはあまり意味をなさないと感じている。私が師匠から教わったスライスは打ったボールの軌道が『スベる』ということを指しており、ショットの分類や名前ではなく打った軌道のことだと考えている。そして、その軌道に意図や罠や戦術を織り込んでいく。それがディランの魂と同じで、その魂がスライスならスライスだし、その魂がなければスライスでもなんでもない。

スタートとゴールが大切なことは否定はしないが、その過程である経由地点や辿ってきた道筋の方が気になる性分で変えようがない。だからショットとしてのスライスの練習なんてしない。本当に大切なのは軌道(過程)と、それに織り込む魂だと思っているからだ。そういえば、昔大阪のテニススクールにいた頃、このスライスの軌道についてちょっとしたくすぶりのネタがあった。(個人的には中川家の環状線ネタぐらいの作品だと思ってる)それを最近また引っ張り出してきてレッスンしたらみんな上手くなってきたからとても喜んでる。

久しぶりの投稿を読んでくれてありがとう。ディラン風に言うなら、少しの間、風に吹かれてたから。

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悔し涙


先週はあることでとても怒っていた。怒って戦った相手はネクタイ閉めた偉い人たち。各方面の最高責任者たちが最後は出てきて僕の説得にあたってきた。わかってはいるものの、タイマンなら負けないけど権力や数の力に僕はあえなく屈することになってしまった。

負けは負けだが、いちおう完全敗北にせず負けの中に次のチャンスは仕込んでる。今日からまた気分一新で一所懸命にレッスンした。生徒さんたちはとても上手くなってきた。この方向でいけば隣のレンタルコートで練習してた生徒さんたちも上手くなる道筋がはっきりと見えてる。(今は全然できてないけど)

このブログの愛読者である路地人さんがちょっと遠くへ行っちゃってから、誰からも練習、質問とかないのは相変わらずだけど、僕のテニスとレッスンは明らかに道筋が見えてて順調だ。早く『外し方』を生徒さんに教えてあげたい。そのためにはちょっと勉強しとかないといけないことがあるから、夜飯食ったらビール飲みながら少し調べものをする予定だ。

今回の悔し涙が嬉し涙になる日が来るといいな。

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